[小ネタ]Amazon Connect コンタクトフローにおける無限ループの設定方法
はじめに
小ネタレベルですが、Amazon Connectのコンタクトフロー内の無限ループの設定方法とループの考え方について書いていきます。
コンタクトフローにおけるループ
顧客体験で重要になるAmazon Connectのコンタクトフローでは体験に応じてループの設定が必要な時があります。例えばDTMFで設定されていない番号が押された、一定時間、操作が行われていない時にはループの出番です。コンタクトフローでは「ループ」ブロックを利用することでフローの処理をループさせることができます。
↑のコンタクトフローでは、「顧客の入力を取得する」ブロックでデフォルト(DTMFで設定されていない番号)、タイムアウト(一定時間、操作が行われていない)は、「ループ」ブロックにつなげてループの先を「顧客の入力を取得する」ブロックに戻しています。ループ回数は3回(デフォルト値)、3回以上は完了の先を他の後続のブロックにつなげます。
コンタクトフローにおける無限ループ
このコンタクトフローで無限ループを設定させたい時はどうするか?答えは、ループ先だけじゃなく完了先も「顧客の入力を取得する」ブロックにつなげます。
挙動としては「ループ」ブロックに設定された回数だけループし、回数に達した時は完了に繋がります。なので完了の先を「顧客の入力を取得する」ブロックにつなげることで無限ループの完成です。
無限ループは設定できた。けど、、
無限ループは設定できましたが、無限ループについて、顧客体験と従業員体験から考えていきます。
顧客体験から考える無限ループ
顧客体験とは、顧客の問い合わせやどれだけ少ないストレスで回答を得ることができるかどうか、顧客がもっともほしいものは、課題の解決方法です。
先程のコンタクトフローでは、「顧客の入力を取得する」ブロックで1または2を押してもらうことを顧客にアナウンスしています。デフォルト(DTMFで設定されていない番号)、タイムアウト(一定時間、操作が行われていない)で本当に無限ループしてしまうと顧客のストレスが溜まること、顧客の課題は解決しない状況なので良い体験ではないと考えます。また、電話が繋がり続けることは顧客側に電話料金が発生します。課題も解決していないなかで電話料金が発生するのはストレスの要因になりそうです。
より良い顧客体験としてコンタクトフローをアップデートする場合は、ループの回数を設けます。デフォルト(DTMFで設定されていない番号)は、アナウンスしている内容が顧客に伝わっていない可能性もあるので従業員に転送します。タイムアウト(一定時間、操作が行われていない)は、顧客側の環境で操作ができない可能性もあるので切断するフローにつなげます。(一案です)
従業員体験から考える無限ループ
従業員体験とは、様々なツールの使い分けや単純な問い合わせの繰り返し、作業負荷による従業員の体験が低下することで離脱に繋がります。また、顧客対応が満足にできずに顧客離れにも繋がります。 先程のコンタクトフローでは、「顧客の入力を取得する」ブロックによって従業員に転送して対応することになりますが、無限ループの設定のままストレスが溜まった顧客対応で作業負荷が上る可能性があります。その為、ループ回数を設けて従業員に転送できれば作業負荷を軽減できるかもしれません。また、従業員体験とずれますが、システム観点だとAmazon Connectは受信発信どちらも利用料が課金されるので無限ループは課金が増えることにも繋がります。
終わりに
短いブログになりましたが、無限ループはできるけど顧客体験や従業員体験を意識して設計していきましょう。 また、今年のAWS Summit Tokyoで顧客体験、従業員体験を高める方法のセッションをまとめたブログもあるので置いておきます。